データの確認状況
はじめに
滋賀県内の地価を見るとき、平均地価だけを並べると、地域の特徴を単純に読めるように見えます。しかし、地価公示地点の数や地点構成によって、平均値や中央値の見え方は変わります。
この記事では、地価を地域理解のための一つの指標として、市町別の地価中央値、平均地価、地点数を合わせて確認します。不動産投資や売買判断を目的としたものではありません。
この記事でわかること
- 2024年の滋賀県内市町別の地価中央値、平均地価、地点数
- 中央値と平均値を分けて見る理由
- 地点数が少ない市町を慎重に読む必要がある理由
先に結論
2024年の確認範囲では、地価中央値の上位には草津市、守山市、大津市、栗東市など、滋賀県南部の市が並んでいます。地価中央値が最も高い市町は草津市で、119,000円/㎡、地点数は24地点です。
ただし、滋賀県内の市町別地点数は3地点から82地点まで幅があります。たとえば、草津市は24地点、大津市は82地点であり、地点数に大きな差があります。そのため、中央値の並びを単純な順位や地域評価として読むのは適切ではありません。
この結果だけで、南部の地価が平均的に高い、将来性が高い、地域として優れているとは断定できません。市町ごとの地点数や地点構成の影響を受けるため、中央値・平均値・地点数を合わせて読む必要があります。
データの前提
- 使用データ: 国土交通省 国土数値情報(地価公示データ)をもとにした市町別・年別集計
- 対象範囲: 滋賀県内の市町
- 対象年: 2024年(基準日: 2024年1月1日時点、2024年3月公示)
- 単位: 円/㎡
- 指標: 地価中央値、平均地価、地価公示地点数
図表から見えること
1. 2024年の市町別地価中央値
まず、2024年の市町別地価中央値を確認します。
中央値順表示。地域評価ランキングを意味するものではありません。地点数もあわせて確認してください。
| 市町 | 地点数 | 地価中央値 | 平均地価 |
|---|---|---|---|
| 草津市 | 24 | 119,000円/㎡ | 156,271円/㎡ |
| 守山市 | 16 | 100,700円/㎡ | 98,825円/㎡ |
| 大津市 | 82 | 90,650円/㎡ | 100,335円/㎡ |
| 栗東市 | 15 | 83,900円/㎡ | 84,013円/㎡ |
| 野洲市 | 12 | 63,650円/㎡ | 65,742円/㎡ |
| 彦根市 | 31 | 49,700円/㎡ | 51,955円/㎡ |
| 近江八幡市 | 14 | 48,350円/㎡ | 62,486円/㎡ |
| 東近江市 | 30 | 40,900円/㎡ | 37,913円/㎡ |
| 愛荘町 | 5 | 36,900円/㎡ | 30,120円/㎡ |
| 湖南市 | 17 | 34,500円/㎡ | 38,024円/㎡ |
| 長浜市 | 29 | 29,800円/㎡ | 36,541円/㎡ |
| 竜王町 | 3 | 24,100円/㎡ | 21,200円/㎡ |
| 甲賀市 | 24 | 19,850円/㎡ | 26,177円/㎡ |
| 多賀町 | 4 | 17,950円/㎡ | 18,520円/㎡ |
| 米原市 | 14 | 17,500円/㎡ | 27,007円/㎡ |
| 高島市 | 13 | 17,400円/㎡ | 20,200円/㎡ |
| 日野町 | 7 | 15,000円/㎡ | 16,594円/㎡ |
| 豊郷町 | 3 | 12,400円/㎡ | 15,967円/㎡ |
| 甲良町 | 3 | 9,650円/㎡ | 10,423円/㎡ |
2024年の地価中央値を見ると、草津市、守山市、大津市、栗東市は、滋賀県内19市町の中でも上位に並んでいます。この意味では、「滋賀県南部の地価は相対的に高めに見える」と言えます。
ただし、ここで見ているのは市町別に整理した地価公示地点の中央値です。各市町のすべての土地価格を表すものではなく、地点数や地点構成の影響を受けます。そのため、中央値の並びをそのまま地域評価ランキングとして読むのは適切ではありません。
2. 平均値と中央値の差を見る
平均値と中央値を並べると、草津市のように平均値が中央値を大きく上回る市があります。大津市も平均値が中央値を上回っています。これは、一部の高い地点が平均値を押し上げている可能性を考える手がかりになります。
一方で、守山市は中央値が平均値をやや上回っており、草津市とは逆方向の差が見られます。栗東市は平均値と中央値がほぼ同程度です。
このように、平均値と中央値の関係は市町によって異なります。平均値だけ、または中央値だけを見るのではなく、両方を並べて確認することで、地点構成の影響をより慎重に読むことができます。
市内に商業地や駅前など比較的高い地点が含まれる場合、平均値が中央値を上回りやすく見えることがあります。ただし、本記事だけで個別地点の要因までは断定しません。
3. 地点数を見ると、市町間で大きな差がある
特に慎重に読む必要がある市町として、地点数10未満の市町を以下に抜粋します。これらの市町では、少数の地点が中央値・平均値に与える影響が大きくなりやすいため、参考値として慎重に確認してください。
| 市町 | 地点数 | 地価中央値 | 平均地価 |
|---|---|---|---|
| 愛荘町 | 5 | 36,900円/㎡ | 30,120円/㎡ |
| 竜王町 | 3 | 24,100円/㎡ | 21,200円/㎡ |
| 多賀町 | 4 | 17,950円/㎡ | 18,520円/㎡ |
| 日野町 | 7 | 15,000円/㎡ | 16,594円/㎡ |
| 豊郷町 | 3 | 12,400円/㎡ | 15,967円/㎡ |
| 甲良町 | 3 | 9,650円/㎡ | 10,423円/㎡ |
2024年の地価公示地点数を見ると、大津市は82地点で、他の市町よりかなり多くなっています。草津市は24地点、守山市は16地点、栗東市は15地点です。
地点数が多い市町では、市内のさまざまな地点が含まれやすくなります。一方、地点数が少ない市町では、数地点の価格が平均値や中央値に与える影響が大きくなります。
このため、特に地点数が10未満の市町については、中央値や平均値を参考値として慎重に読む必要があります。
4. 南部4市に絞って見る
南部4市に絞っても、中央値・平均値・地点数を同時に見る必要があります。草津市は平均値が中央値を大きく上回る一方、大津市は地点数が82地点と多く、市内のさまざまな地点が含まれやすい前提があります。
守山市は中央値が平均値をやや上回り、栗東市は平均値と中央値がほぼ同程度です。同じ南部の市でも、平均値と中央値の関係や地点数は一様ではありません。
そのため、地価水準の高低だけで、住みやすさ、将来性、地域の優劣を判断することはできません。
5. 2010〜2024年の変化率
2010年と2024年の平均地価を比較すると、市町によって上昇・下落の方向が分かれています。草津市、守山市、大津市、栗東市などではプラス方向の変化が見られます。
また、竜王町のように変化率では高い位置に出る市町もあります。ただし、竜王町は2010年が2地点、2024年が3地点です。地点数が少ないため、平均値の変化率は地点構成の影響を受けやすい可能性があります。
ただし、この変化率は過去の平均地価を比較したものであり、将来の地価上昇や資産価値を予測するものではありません。また、2010年時点と2024年時点で地点数や地点構成が変わっている場合、変化率の見え方にも影響します。
したがって、変化率は「過去にどう見えていたか」を確認する補助指標として扱うのが安全です。
まとめ:南部は高めに見えるが、単純な優劣ではない
今回の確認範囲では、滋賀県南部の市は地価中央値の上位に入りやすく、特に草津市、守山市、大津市、栗東市は相対的に高めに見えます。
平均値と中央値を見ると、市町ごとに地点構成の影響が異なります。草津市や大津市では平均値が中央値を上回る一方、守山市では中央値が平均値をやや上回り、栗東市では平均値と中央値がほぼ同程度です。
地点数を見ると、大津市は82地点で多く、地点数10未満の市町は参考値として慎重に読む必要があります。2010〜2024年の変化率も過去比較であり、将来予測ではありません。
したがって、本記事の結論は「南部は地価中央値では高めに見えるが、それは住みやすさ、将来性、投資価値、地域の優劣を直接示すものではない」です。
読み取りの注意
地価を読むときは、ひとつの指標だけで結論を出さないことが重要です。中央値は極端な地点の影響を平均値より受けにくい一方で、地点数が少ない市町では中央値も安定した代表値とは言い切れません。
平均地価は全地点の水準をまとめる指標ですが、商業地や住宅地など地点構成の影響を受けます。地価公示データを見るときは、平均値、中央値、地点数、基準日、地点構成をあわせて確認する必要があります。
注意点
地価は地域理解のための一つの指標です。
不動産投資や売買判断を目的としたものではありません。
公示地価は実勢価格と一致しない場合があります。
地点数が少ない市町の平均値・中央値はぶれやすいため、慎重に読む必要があります。
本記事では、地域の優劣や将来性を断定しません。
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出典・加工・注意点
FAQ
地価が高い市町ほど、地域評価が高いと考えてよいですか?
そうは言えません。地価は地域理解のための一つの指標ですが、暮らしやすさ、将来性、地域の優劣を直接示すものではありません。
地点数が少ない市町は、どのように読めばよいですか?
平均値や中央値が特定地点の影響を受けやすいため、他市町との単純比較ではなく、参考値として慎重に読む必要があります。補足として、地点数が10地点未満の市町には、竜王町、多賀町、豊郷町、甲良町などがあります。これらは比較時に特に注意が必要です。
平均値と中央値のどちらを見ればよいですか?
どちらか一方だけではなく、両方を確認するのが安全です。平均値は全地点の水準をまとめやすい一方で、一部の高い地点や低い地点の影響を受けます。中央値は極端な地点の影響を受けにくい指標ですが、地点数が少ない市町では安定した代表値とは言い切れません。
2010〜2024年に地価が上がった市町は、今後も上がると考えてよいですか?
いいえ。本記事の変化率は、2010年と2024年の平均地価を比較した過去データです。将来の地価や資産価値を予測するものではありません。地点数や地点構成が変わっている場合もあるため、過去の変化を確認する補助指標として読んでください。